労働契約法 平成十九年法律第百二十八號 労働契約法 目次 第一章 総則(第一條―第五條) 第二章 労働契約の成立及び変更(第六條―第十三條) 第三章 労働契約の継続及び終了(第十四條―第十六條) 第四章 期間の定めのある労働契約(第十七條―第二十條) 第五章 雑則(第二十一條?第二十二條) 附則 第一章 総則 (目的) 第一條 この法律は、労働者及び使用者の自主的な交渉の下で、労働契約が合意により成立し、又は変更されるという合意の原則その他労働契約に関する基本的事項を定めることにより、合理的な労働條件の決定又は変更が円滑に行われるようにすることを通じて、労働者の保護を図りつつ、個別の労働関係の安定に資することを目的とする。 (定義) 第二條 この法律において「労働者」とは、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者をいう。 2 この法律において「使用者」とは、その使用する労働者に対して賃金を支払う者をいう。 (労働契約の原則) 第三條 労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結(jié)し、又は変更すべきものとする。 2 労働契約は、労働者及び使用者が、就業(yè)の実態(tài)に応じて、均衡を考慮しつつ締結(jié)し、又は変更すべきものとする。 3 労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調(diào)和にも配慮しつつ締結(jié)し、又は変更すべきものとする。 4 労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない。 5 労働者及び使用者は、労働契約に基づく権利の行使に當たっては、それを濫用することがあってはならない。 (労働契約の內(nèi)容の理解の促進) 第四條 使用者は、労働者に提示する労働條件及び労働契約の內(nèi)容について、労働者の理解を深めるようにするものとする。 2 労働者及び使用者は、労働契約の內(nèi)容(期間の定めのある労働契約に関する事項を含む。)について、できる限り書面により確認するものとする。 (労働者の安全への配慮) 第五條 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身體等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。 第二章 労働契約の成立及び変更 (労働契約の成立) 第六條 労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。 第七條 労働者及び使用者が労働契約を締結(jié)する場合において、使用者が合理的な労働條件が定められている就業(yè)規(guī)則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の內(nèi)容は、その就業(yè)規(guī)則で定める労働條件によるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業(yè)規(guī)則の內(nèi)容と異なる労働條件を合意していた部分については、第十二條に該當する場合を除き、この限りでない。 (労働契約の內(nèi)容の変更) 第八條 労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の內(nèi)容である労働條件を変更することができる。 (就業(yè)規(guī)則による労働契約の內(nèi)容の変更) 第九條 使用者は、労働者と合意することなく、就業(yè)規(guī)則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の內(nèi)容である労働條件を変更することはできない。ただし、次條の場合は、この限りでない。 第十條 使用者が就業(yè)規(guī)則の変更により労働條件を変更する場合において、変更後の就業(yè)規(guī)則を労働者に周知させ、かつ、就業(yè)規(guī)則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働條件の変更の必要性、変更後の就業(yè)規(guī)則の內(nèi)容の相當性、労働組合等との交渉の狀況その他の就業(yè)規(guī)則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の內(nèi)容である労働條件は、當該変更後の就業(yè)規(guī)則に定めるところによるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業(yè)規(guī)則の変更によっては変更されない労働條件として合意していた部分については、第十二條に該當する場合を除き、この限りでない。 (就業(yè)規(guī)則の変更に係る手続) 第十一條 就業(yè)規(guī)則の変更の手続に関しては、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九號)第八十九條及び第九十條の定めるところによる。 (就業(yè)規(guī)則違反の労働契約) 第十二條 就業(yè)規(guī)則で定める基準に達しない労働條件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業(yè)規(guī)則で定める基準による。 (法令及び労働協(xié)約と就業(yè)規(guī)則との関係) 第十三條 就業(yè)規(guī)則が法令又は労働協(xié)約に反する場合には、當該反する部分については、第七條、第十條及び前條の規(guī)定は、當該法令又は労働協(xié)約の適用を受ける労働者との間の労働契約については、適用しない。 第三章 労働契約の継続及び終了 (出向) 第十四條 使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、當該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、當該命令は、無効とする。 (懲戒) 第十五條 使用者が労働者を懲戒することができる場合において、當該懲戒が、當該懲戒に係る労働者の行為の性質(zhì)及び態(tài)様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社會通念上相當であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、當該懲戒は、無効とする。 (解雇) 第十六條 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社會通念上相當であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。 第四章 期間の定めのある労働契約 (契約期間中の解雇等) 第十七條 使用者は、期間の定めのある労働契約(以下この章において「有期労働契約」という。)について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。 2 使用者は、有期労働契約について、その有期労働契約により労働者を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間を定めることにより、その有期労働契約を反復して更新することのないよう配慮しなければならない。 (有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換) 第十八條 同一の使用者との間で締結(jié)された二以上の有期労働契約(契約期間の始期の到來前のものを除く。以下この條において同じ。)の契約期間を通算した期間(次項において「通算契約期間」という。)が五年を超える労働者が、當該使用者に対し、現(xiàn)に締結(jié)している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、當該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結(jié)の申込みをしたときは、使用者は當該申込みを承諾したものとみなす。この場合において、當該申込みに係る期間の定めのない労働契約の內(nèi)容である労働條件は、現(xiàn)に締結(jié)している有期労働契約の內(nèi)容である労働條件(契約期間を除く。)と同一の労働條件(當該労働條件(契約期間を除く。)について別段の定めがある部分を除く。)とする。 2 當該使用者との間で締結(jié)された一の有期労働契約の契約期間が満了した日と當該使用者との間で締結(jié)されたその次の有期労働契約の契約期間の初日との間にこれらの契約期間のいずれにも含まれない期間(これらの契約期間が連続すると認められるものとして厚生労働省令で定める基準に該當する場合の當該いずれにも含まれない期間を除く。以下この項において「空白期間」という。)があり、當該空白期間が六月(當該空白期間の直前に満了した一の有期労働契約の契約期間(當該一の有期労働契約を含む二以上の有期労働契約の契約期間の間に空白期間がないときは、當該二以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間。以下この項において同じ。)が一年に満たない場合にあっては、當該一の有期労働契約の契約期間に二分の一を乗じて得た期間を基礎として厚生労働省令で定める期間)以上であるときは、當該空白期間前に満了した有期労働契約の契約期間は、通算契約期間に算入しない。 (有期労働契約の更新等) 第十九條 有期労働契約であって次の各號のいずれかに該當するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が當該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は當該契約期間の満了後遅滯なく有期労働契約の締結(jié)の申込みをした場合であって、使用者が當該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社會通念上相當であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の內(nèi)容である労働條件と同一の労働條件で當該申込みを承諾したものとみなす。 一 當該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に當該有期労働契約を更新しないことにより當該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結(jié)している労働者に解雇の意思表示をすることにより當該期間の定めのない労働契約を終了させることと社會通念上同視できると認められること。 二 當該労働者において當該有期労働契約の契約期間の満了時に當該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。 (期間の定めがあることによる不合理な労働條件の禁止) 第二十條 有期労働契約を締結(jié)している労働者の労働契約の內(nèi)容である労働條件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結(jié)している労働者の労働契約の內(nèi)容である労働條件と相違する場合においては、當該労働條件の相違は、労働者の業(yè)務の內(nèi)容及び當該業(yè)務に伴う責任の程度(以下この條において「職務の內(nèi)容」という。)、當該職務の內(nèi)容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。 第五章 雑則 (船員に関する特例) 第二十一條 第十二條及び前章の規(guī)定は、船員法(昭和二十二年法律第百號)の適用を受ける船員(次項において「船員」という。)に関しては、適用しない。 2 船員に関しては、第七條中「第十二條」とあるのは「船員法(昭和二十二年法律第百號)第百條」と、第十條中「第十二條」とあるのは「船員法第百條」と、第十一條中「労働基準法(昭和二十二年法律第四十九號)第八十九條及び第九十條」とあるのは「船員法第九十七條及び第九十八條」と、第十三條中「前條」とあるのは「船員法第百條」とする。 (適用除外) 第二十二條 この法律は、國家公務員及び地方公務員については、適用しない。 2 この法律は、使用者が同居の親族のみを使用する場合の労働契約については、適用しない。 附 則 抄 (施行期日) 第一條 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲內(nèi)において政令で定める日から施行する。 附 則 (平成二四年八月一〇日法律第五六號) (施行期日) 1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第二條並びに次項及び附則第三項の規(guī)定は、公布の日から起算して一年を超えない範囲內(nèi)において政令で定める日から施行する。 (経過措置) 2 第二條の規(guī)定による改正後の労働契約法(以下「新労働契約法」という。)第十八條の規(guī)定は、前項ただし書に規(guī)定する規(guī)定の施行の日以後の日を契約期間の初日とする期間の定めのある労働契約について適用し、同項ただし書に規(guī)定する規(guī)定の施行の日前の日が初日である期間の定めのある労働契約の契約期間は、同條第一項に規(guī)定する通算契約期間には、算入しない。 (検討) 3 政府は、附則第一項ただし書に規(guī)定する規(guī)定の施行後八年を経過した場合において、新労働契約法第十八條の規(guī)定について、その施行の狀況を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結(jié)果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。